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高温下における結晶構造解析
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赤外吸収スペクトルの観察
赤外吸収スペクトルを測定することにより,鉱物中に含まれるOH等の振動の様子や構造中における存在量を知ることができます.さらに,偏光板を用いて観察することにより,OH振動の向きを知ることもできます. X線回折実験では,水素に関連する情報を入手することはむつかしいので,分光学的な手法によってそれらの知見を得ることにより,さらに詳細な議論ができるようになります.
地球内部に存在する"水(H2OやOH)"は,鉱物中に取り込まれて地球深部へと運ばれると考えられています.地球内部のような高温高圧の条件下において,鉱物の赤外吸収スペクトルを測定することにより,地球深部における"水(H2OやOH)"の振る舞いを知ることが可能になります. 近年は,高温高圧下における水素結合の存在と鉱物の安定性に関する議論がなされており,重要な研究課題の一つとして挙げられています.
私たちの研究グループでは,高温あるいは高圧下における鉱物の赤外吸収スペクトルの測定を行い,X線回折による結晶構造の変化と合わせて,特殊条件下における"水素の振る舞い"に関する問題に取り組んでいます.
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鉱物組織の解析
鉱物学分野に興味をもたれた学部3年生の皆さんへ
鉱物学分野では,様々な企業へ卒業生が就職していますが,物質のキャラクタリゼーションを行う基礎研究分野であるため,メーカー系の企業へ就職する学生が多いことが特徴の一つとして挙げられます.