研究概要
地球のダイナミックな現象は通常、いくつかの基礎となる過程(=素過程)の複合として進行します。このため、現象を支配する要因を解明するためには、素過程の理解が不可欠です。本研究室では、マグマ中の気泡の成長や合体、地下深部の流体の移動過程や岩石と流体相との化学反応及びそれに伴う結晶成長、流体相や気相による元素の輸送、鉱物内の元素拡散速度、マグマ中における結晶成長のカイネティクスなどの素過程について、主に高温高圧実験や実験結果の理論的解析に基づいて、定量的な理解に取り組んでいます。
例えばマグマ中の気泡の成長合体や岩石の粗粒化は、界面エネルギーを下げようとする物理プロセスであるという点で多くの共通点があります。このように火山噴火のダイナミクスとマントルのレオロジーを同時に考えることは、現象の本質に迫ることに役立ちます。学問がseamlessとなった時代に、「広く・深く」を目指します。
Run product の壁側(写真下)のメルト領域に再溶解する気泡(実体鏡写真;Yoshimura and Nakamura, 2008).写真横幅は約2.5mm.
粒界から鉱物に熱水成分が浸み込む様子
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